小論文  

独りじゃキツイ受験科目

  2021年度から、従来の「推薦入試」は「学校推薦型選抜」、「AO入試」は「総合型選抜」へと名称が変わりました。単に呼び名が変わっただけではありません。選考方法そのものが変わったのです。例えば、選択肢に「小論文」が加わったというのも大きな変化の一つです。その意味で、小論文の必要性は今まで以上に増して来ているといえましょう。
  しかし、小論文ほど独学が困難な科目はありません。「小」とはいえども論文です。これまであなたが学校教育の場で書かされて来た「作文」とは根本的に違うと考えなければなりません。作文に論理は必ずしも必要とはされませんが、小論文ではそれがまさに「命」です。要するに、小論文を選択する以上、今まで経験したことのない未知の文章を書けなければ合格は勝ち取れないのです。小論文学習に独習が困難である理由は、ズバリ!この一点にあるわけです。

  では、どうすれば合格答案を書けるのか? 特に必要なのは以下の二点です。
  
  ① 論文の執筆作法を理解する(論理性の重視)
  
  ② 批判的思考を身に付ける(主観と客観との弁証法)
  
  まず、①について。上に述べた通り、「小」とはいえども小論文が論文の一種であることに変わりはありません。したがって、そこでは「論文の正しい書き方」に基づいた執筆が求められることになります。論文の「論」とは論理を指します。論理とは「筋道立った(=矛盾のない)考え」とか「因果関係」などを指す言葉です。ということは、合格レベルの小論文を書き上げようとするならば、あなたが原稿用紙に書きつけて行く諸々の内容に矛盾(=食い違い)があってはなりません。さらに、何か命題(=自分の判断=自分の考え)を示したら、「なぜ自分はそう思うのか」という根拠理由を示さなくてはなりません。この二点を満たせれば、あなたの書いた文章はもはや「作文」の域を脱し「論文」の域に達しつつあるといってよいでしょう。逆に言えば、このハードルを超えない限り、小論文入試において「合格」はあり得ないということでもあります。
  以上の二点を満たせれば、あなたの書いた文章はもはや「作文」の域を超えて「論文」の域に達しつつあるといってよいでしょう。

  ②について。上で「批判的思考」と述べました。批判的とは、対象をやみくもに否定することとは違います。対象を「相対化する」ということです。言い換えれば、対象を初めから絶対視してかからず、他の対象と比較しながら(=関連付けながら)冷静に判断するということです。従って小論文においては、自分の考え(=主観)を述べることが必要ではあるのだけれども、それを頭から自明視(=当然視)してかかる態度で述べることは許されません。今自分が書こうとしている考えを、それとは異なる考え(=他者の言い分)や与えられた資料の内容などと冷静に比較しながら、果たしてその自説が大勢の人々を納得させることができる(=独りよがりではない)だけの客観性を持ち得たものとなり得ているかどうか、その点を慎重に検討し、もしも修正が必要と分かったならば手直ししてから書かなければならないのです。資料付き問題の場合でいえば、自分の考えが間違ってはいないということを資料の内容を用いて証明して見せなければならないということです。慶応義塾大学(総合政策学部)の問題などはその典型です。
  以上二点が小論文の基本(=必須条件)です。だが、これで十分というわけではない。どんな問題が出されようとコンスタントに合格答案を書けるようになるには、さらにいくつかのハードルが待ち受けています。それらの中で最も受験生を苦しませているのが、「発想」というハードルでしょう。「何を書いたらよいのか分からない」とは小論文受験生の多くに共通する悩みですが、要するにそれは、発想の仕方を知らないということです。例えば「現代文」の項でも述べたように、小論文でも近代批判が「原理」となっています。だから、近代的発想の問題点とそれを克服する思想的方向とについて一定の知識を学んでおくことは、かなりの有効性を発揮します。こうした近代批判的視点(=近代的価値観を相対化する視点)をあらかじめ持っておくことは、あなたの発想をよりハイレベルなものへとグレードアップさせることに大きく貢献するでしょう。KOTOBA塾の小論文講座は、これ以外にもあなたの発想を鍛え上げる「道具」を数多く用意しています。それらを習得すれば、「書くことが思い浮かばない」という悩みからは完全に解放されるはずです!
  
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添削回数無制限! ― 何度も何度も書いてみよう

  小論文の重要性が近年高まって来ていること、その書き方にはルールがあること、発想の仕方にはコツがあることなどについてお話して来ました。さあ、後は実際に書いてみることです。合格答案に必要な条件を知ったとしても、自分の手で答案を書いてみなければ意味はありません。なぜなら、「分かった」ということと「できる」ということとの間には天と地ほどの差があるからです。いかに小論文を得意とする受験生といえども、初めのうちは、実際に書こうとすると思っていたようには上手く行かずガックリ来てしまうものです。自分では上手くできたつもりでも、講師に添削してもらった結果を見て、理想と現実との余りの落差に愕然としてしまう、おのれの実力の至らなさに絶望的になってしまう……。そんな苦い経験を何度も繰り返し、それでもあきらめずに一から考え直し書き直す。こうしたプロセスを経ることによって、外付けの知識は徐々にあなた自身の血肉となり、それらを自在に使いこなせるようになって来るのです。同時に、当初は自覚していなかった自らの思考傾向やその長所短所を客観的に認識することができるようにもなる。他者の視点に立っておのれを眺めるという、人間の成長に欠かすことのできない貴重な体験が伴われるわけです。これは、当人の中で世界観が広がったことを意味します。上で述べた苦しい経験が小論文学習において欠かせない最大の理由は、まさにこの一点にあるといえましょう。世界観が狭いということは、他者の存在が視野に入っていないということです。一方、小論文は一種の説得文です。採点官という他者に「なるほど」と思わせなければ合格点はもらえませんし、そもそも小論文の「命」である論理にとっても、一個人としての書き手を超越した普遍性(=誰に対しても通用すること)を備えていることは絶対条件です。
  書いて、考え直して、書き直す。この、あなたが内面的に熟成するために必要な一連の営みを、KOTOBA塾は何よりも大切にします。講師が「OK」を出すまで書く!書く!書く! 添削回数も無制限! 他塾の小論文講座や市販の参考書からは絶対に得ることができない達成感をお約束します。